来たよ、来たよ、ついに来たよ、私の楽がっ!
14歳のとき、とある三毛に出会って以来、ず~っと出会いたかった私の猫に、ようやく会えた。
20数年来の夢がかなうなんて、本当に夢みたい。
よく 「思い続けていればいつか必ず夢はかなう」 っていうけれど、本当だったのね。
とにかくそんな嬉しい嬉しい気持ちで私はコーフンしっぱなし。
でも、考えていた以上に楽がベビーなので不安もありました。小さくて小さくてピーピー頼りなさそうに鳴く楽。ママや兄弟が恋しいのでしょうか。ママやお兄ちゃんたちから引き離してゴメンネ。
(私の気持ちの中では楽は4匹兄弟の一番下の妹。4匹のなかで一番体が小さかったので、そう確信しています)
コバヤシさんの家からの帰り道、ドンキホーテによってベビー猫用品を購入。猫ミルクに哺乳瓶。
哺乳瓶って……か、かわいいっ!! ちょっとオママゴト気分です。
さあさあさあ我が家に着いた、着いた。
慎重派の福ちゃんは、すぐには寄ってきません。眉間のシワが深く見えるのは、気のせい……だよね?
しばらく眠っていた楽が、またピーピー鳴き始めました。たぶん、お腹がすいたのでしょう。粉ミルクをぬるま湯で溶いて……私は子供を持ったことがないので、こんなこと初めてです。勝手がわからずモタモタ……そうこうしているうちに楽のピーピーが、なんだか切迫した調子に変わってきています。
「まだか? 早くしてやれよ」 ニイニからも催促されますが、ああだって、よく粉が溶けてないみたいだし、待って、待って……。
でも待ったがきかないのがベビーちゃん。この小さい体からよくこんな大きな声が……と思うようなトーンのピーピーになり、福ちゃんまで心配そうにソワソワしたころ、ようやく準備オーケー!
お待たせ楽! 飲んでごらん。きっとおいしいよ!
……ところが楽はイヤイヤをして哺乳瓶の乳首を口に入れません。大きなピーピーに一生懸命になるばかり。絶対にお腹はすいているはず。なんとかしなくちゃ。焦る私は楽の顔をムリヤリ乳首に押し付けます。 「かわいそうだよ」 とニイニ。 「じゃあどうすればいいのよぉ」 心の狭い私はもう怒り声。
楽の『かかしゃん』としてうまくやりたい気持ちは完全に上滑り。
やがて指につけたミルクを楽の口にこすりつけているうちに、楽はこれがミルクだと理解したようです。たぶんママのミルクとは味が違うんでしょうね。指をセッセと舐め始めたところ、哺乳瓶を近づけたら……おおーっ、くわえた! おおーっ! 飲んだ!! ホッとしました。
そのうちパソをカチャカチャやっていたニイニから 「楽を仰向けじゃなく下向きにしろ!」 と指令が。人間の赤ちゃんのように仰向けにすると気管に入ってしまうことがあるそうです。
それにしても最近はネットでなんでもわかるので、助かりますね。こんな夜中でもバッチリ……って、そうです。
楽に始めてのミルクをあげたときには、もう真夜中をずいぶん過ぎていました。