里親さんとの面会は、その日の午後も続きます。
保土ヶ谷にお住まいのSさん。
独身の女性ですがご両親とご同居で、20年ぐらい猫を飼っていたご経験があるそうです。
女の子希望だそうですが、とりあえずチビ全員を連れて、お宅へ。
やはりチビたちの小ささに驚かれたご様子。
猫好きならば、この小さい天使ちゃんたちを見て、欲しくならないわけがありません。
お父様も出ていらして、かわるがわるチビたちを抱っこして 「どうしよう、どのコにしよう」 と、早くももらって下さるモード。
Sさんはもちろん、お父様もチビたちを見る目がとても優しくて、可愛がってくれそうです。
そのとき奥からお母様が出ていらっしゃいました。
あらら? なんだかご機嫌が悪そうです。
「悪いけど、前にウチにいたコは、もっともっとず~っと可愛かったんだから」
それはそうでしょうとも。
うんと可愛がっていた猫ちゃんを失って以来、猫を飼っていなかったのだそうです。
まだ新しい猫を飼う気持ちになっていないのかもしれません。
もしお母様が反対なさるなら、無理はいけないな。あきらめるような気持ちになったとき、お母様が
「そのコ、ずっと私を見てるわよ」
それはなんと、唯一の男の子である 『ヒデキ2世』。
←ちょっとタヌキ顔のこのコです。
実はメールでの問い合わせでは、圧倒的に女の子が人気で、この時点では『ヒデキ2世』を希望している方はいなかったのです。
「そのコは、どうなの?」
Sさんが「男の子だけど、いいの?」
「だって、ずっと私を見てる」。
その一言でキマリです。
とりあえず、まだ猫グッズが揃っていないというので連れて帰ることにしましたが、一番里親探しが難航しそうだった『ヒデキ2世』の里親さんが決まって、一気に気持ちが楽になりました。